自体重トレーニングを始めようと考えている人「自体重トレーニングの始め方を知りたい。これから自体重でトレーニングを頑張りたいけど、いったい何をやれば良いんだろう・・・。自体重トレーニングをやってみたい気持ちはあるけど、手順がわかりません。具体的な方法を教えてください。」
こんな疑問に答えます。
本記事のテーマ
【初心者向け】自体重トレーニングの始め方【習慣化の秘策】
自体重トレーニングの始め方
- 目標を決める:習慣化する
- 環境準備:暑い寒いに影響されないスペース
- 基本的なことを理解する:他のトレーニングとの違いと継続するための考え方
- 代表的な種目とフォーム:自体重トレBIG3的なやつを理解
- いざ実践:メニューを組み立てて継続
記事の信頼性
記事を書いている私は、自体重トレーニング9年ほど。
自体重トレーニングを3日空けると発作が起きるほどハマり込んでいて、
現在は自体重トレーニング研究所を主宰して、迷える子羊たちに自体重トレーニングを指導しています。
読者さんへの前置きメッセージ
本記事では「これから自体重トレーニングを始めたいけど、どこから手をつけて良いかわからないよ」という方に向けて書いています。
この記事を読むことで、「自体重トレーニングでの目標設定、具体的な始めた方、その後の活かし方」までをイメージできるようになって習慣化すると思います。
私自身の左半身が不自由になって、「もう生きているのが辛いなぁ」と感じていた私を救ってくれたのが自体重トレーニングです。リアルに自体重トレーニングで人生が変わった私が、自体重トレーニングに感謝を込めつつ、記事を執筆します。
それでは、さっそくみていきましょう。
1 目標設定:習慣化する
目標設定は、「習慣化する」で良いと思います。
ダイエットやバルクアップといったボディメイクやスポーツの補強といった明確な目標があればそれでOKですが、私が思うに「自体重トレーニングは自己成長の基本ツール」なので、基本的な考え方としては「自体重トレーニングというツールを使うクセをつけて、生きているだけで理想の身体に近づこう」みたいな感じでいいかなと思います。
目標期間:まずは2ヶ月続ける
「えーっ、2ヶ月も⁉︎」と思った人もいるかもしれませんね。
断言しますが、自体重トレーニングを2ヶ月続けることは「簡単」です。
✔️トレーニングを「2ヶ月続ける」が簡単な理由
これは「②環境を整える」と③「基本的なことを理解する」で詳しく書きますが、多くの方が自体重トレーニングに対して抱いているイメージとは全く違うからです。
多くの方の自体重トレーニングに対するイメージは「キツければキツいほど効くんでしょ」という感じですが、自体重トレーニング研究所では「楽をすれば楽をするほど効く」からです。
実際に私の周りでは、運動習慣が無かった女性や老齢の人が自体重トレーニングを習慣化していっています。
やはり、「何をするかではなく、どう解釈するか」といった視点の切替えが大切だなと思います。
2 環境準備:暑い寒いに影響されないスペース
トレーニングが習慣になっていない人から「何年も続くなんて意志が強いんですね。」とよく言われます。
それについて私の解釈は皆さんとチョット違うかもしれません。
寒いと休みたくなるし、お腹が減ると切り上げたくなります。ちょっとした理由で自体重トレーニングしない理由を思いついてしまって、過去の私はオフにする確率が多かったです。それくらい私は意志が弱いです。
そんな私が毎日にように自体重トレーニングに取り組めるようになったのには、環境を整えたことが一番大きいです。
結論:意志に強弱は無い。環境によって意志スイッチが入りやすくなる。
まずは続けやすい環境を準備しましょう。
なるべく、自分の周りに自体重トレーニングの先に見える理想をイメージしやすいものばかりにすると自体重トレーニングは続けやすいです。
それと同時に、安静時とトレーニングの間に差がない環境は超重要です。
おすすめの環境
① 自分の部屋をつかう
自分の部屋でトレーニングできたら、移動時間の短縮にもなりますし、ジムに入会するのと違って人目を気にしなくて済みますし自分のペースでできます。←これ超重要
少しだけ部屋を片付けてスペースを作っておきます。
このとき、逃げ道となるものから優先して片付けていくのが良いです。
部屋が狭くて小さなスペースしか作れない場合でも、それに応じたトレーニングができます。
この記事を書いている2020年4月7日現在、新型コロナにより緊急事態宣言が出されてしまうとジムが休館してしまう場合もあるので、自分の部屋を使ったホームジムは影響を受けにくいので超オススメです。
② 室温をコントロールできる
寒かったり暑かったりすると萎えてしまう人も多いと思います。
私は寒さに超弱いです。冬の公園でのトレーニングは絶対にしたくありません。
クーラーやエアコンを使って室温をコントロールすると良いです。
もし、クーラーやヒーターがなければ自己投資だと思って買ってください。自体重トレーニングだけではなく、普段の生活でも室温コントロールは基本です。
寒ければ長袖を着ますが、何枚か買うことを考えるとヒーターを買ったほうがアッという間に元が取れます。
クーラーは何を買ってもあまり変わりませんが、ヒーターは何種類もあって、それぞれ違います。一番手軽なのは、電気コンセントをさせば使えて温風で温めるタイプのファンヒーターが良いでしょう。安いものであれば3千円くらいでも買えます。
まずは、自分自身がトレーニングに対して一番やる気がおこる気温を知りましょう。
③ 高音質な音楽
自体重トレーニングにとって音楽はとても重要です。
モチベーションや集中力を上げたりするのに役立ちます。
逆説的に言うと、音楽に入り込むことでトレーニングに対する雑念を消します。
なので、自分の好きな曲、入り込める曲をできるだけ高音質で聴ける環境が欲しいところです。
おすすめはBOSEのSoundlink Mini Ⅱです。
Bluetoothe接続とパッシブラジエーターにより重低音が増幅されているので、ヴァイブスが高まった状態でトレーニングできます。そして、持ち運びに便利です。
私も、住んでいたアパートの部屋でトレーニングしていた頃はSoundlink Miniにお世話になっていました。
④ 自体重トレーニングお役立ちアイテム
お役立ちアイテムは、自体重トレーニングのフォームを作ってくれます。
例えば、小物であればプッシュアップバー、レジスタンスバンドなど、大物になるとプルアップスタンド、ディップスバーなどです。
プルアップをやりたい人はプルアップスタンドとレジスタンスバンドをセットで持っていると良いです。
レジスタンスバンドが有るのと無いのでは天国と地獄くらいの差があります。気合でバンド無しでおこなっていても、フォームが身に付く前に関節を痛める可能性が高いです。
これまで私は、プルアップ体験イベントを開催してきて延べ2千人以上のプルアップを見てきましたが、レジスタンスバンド無しの自体重で20回くらい出来る人でも、フォームが身に付いていなくて関節に負担が掛かっている人ばかりでした。
プルアップ体験イベントではレジスタンスバンドを使って良いフォームでやることを勧めているのですが、回数ができてしまっていると聞く耳を持ってもらえません。
逆に、プルアップをやったことの無い女性や子どもは素直にレジスタンスバンドを使って良いフォームを体験してくれます。
体験した後の反応もハッキリしています。
良いフォームでやった人は「楽しい!」「気持ち良い!」と嬉々としていますが、レジスタンスバンド無しで力任せにやった人は口を揃えて「しばらくは(やらなくて)良いかな」と言って懲りてしまいます。
プルアップは自体重トレーニングの醍醐味ともいえる種目ですので、そういった姿を見るのは残念で仕方ありません。
皆さんには、楽しくて気持ちの良いプルアップに出会って欲しいですのでレジスタンスバンドは覚えておいてください。
レジスタンスバンドの使い方
3 基本的なことを理解する:他のトレーニングとの違いと継続するための考え方
まず自体重トレーニングとは何かを説明します。
自体重トレーニングとは、身体原理に基づいて全体を一つとして使えるようにして、あらゆるスポーツへの応用力を身につける練習です。
自体重トレーニング研究所
つまり、錆びを取り除いていって身体を若返らせようという感じです。
一般的なトレーニングとの違いは?
一般的なトレーニングに対するイメージは、筋肉をつけるためにガンガン負荷をかけて、自分の限界まで追い込むものです。
しかし、それをやってしまうと、成果が出る人と出ない人に分かれてしまいます。
なぜかと言うと身体原理に基づいていないからです。
どういうことかと言うと、
一般的なトレーニングの大前提は「歳を取ると衰える」「怪我をしたら休んで直す」であって、
自体重トレーニング研究所でのトレーニングは「歳と共に動きが洗練されていく」「怪我をしたら、運動回路の間違いに気づくチャンス」
です。
例えば、プルアップをやって肩や肘を痛めたとします。
一般的には、その痛みを避けるように安静にして休みをとるか根性論で無理矢理にやります。
自体重トレーニングでは、肩や肘が痛いのは動きの悪い他の部分があるからだと考え、動きの悪い部分を探してそこを動くようにすることで身体全体として痛みが出ず、さらにパフォーマンスが上がるように取り組みます。
こういった身体の全体感を持つことがしやすいのが自体重トレーニングの特徴です。
巷で言われている「自分の身体を負荷にしておこなうトレーニング」では決して無く、
「全身が協力して動く身体を目指すトレーニング」です。
継続するために
一般的に、身体のことを消耗品として解釈されているように感じます。
これは、運動能力としてのピークが20代から30代と言われているからだと思います。
このことは筋力や骨格といったものだけが運動能力を支えていると考えられているからです。
皆さんにも考えてもらいたいのですが、”身体が動く”ということを考えたときに、本当に筋力や骨格だけで動いているでしょうか?
もしそうならば、食べすぎてしまった直後でも、人生がひっくり返るくらい悲しい出来事の際中でも運動能力は変わらないはずです。
しかし現実は、身体に力が入らずに運動しようという気も起きなくなります。
一般的な運動論には、ここが明確になっていないようです。
自体重トレーニング研究所では、身体は消耗品では無く、磨けば光を増し続けるダイヤの原石と考えます。
そう考えることが出来たら、今日よりも明日という感じで磨き続けることが楽しくなってきますし、比較するのが自分と他者では無く、今の自分と明日の自分なので年齢も関係なくなってきます。
今日より輝く明日を目指しましょう!!
4 代表的な種目とフォーム:自体重トレBIG3を理解
自体重トレーニングを代表する種目を紹介します。
①プルアップ
高さがあってぶら下がれる鉄棒などでできるプル系種目です。
*動画準備中
- 顎、胸、腹を真っ直ぐにして、腕を伸ばし切って鉄棒にぶら下がるのがスタートポジション
- 肘を外側に開いて、爆発的に身体を引き上げる
- アゴが鉄棒の高さまでいったら、鉄棒を押すように元の位置まで下がる
1〜3を繰り返します。
よくある間違い
- 肘が外側ではなく身体の前にきてしまうと、肘や肩を痛めやすい
- 背中を縮めることでやろうとすると高さが出ない
- 飛び跳ねるようにプルアップすると、運動線が分かりにくい
まずはレジスタンスバンドを使って、気持ちよくフォーム作りをしましょう。
②スクワット
どこでもできるレッグ系種目です。
*動画準備中
- 膝を伸ばして肩幅くらいに立つのがスタートポジション
- 土踏まずあたりで床に圧をかけながら、太腿が床と水平以下なるまで腰を落とします
1〜2を繰り返しますが、このとき土踏まずあたりにかかる圧は変えずに一定のままです。
腰を落とすと同時に骨盤が前傾する感じです。
よくある間違い
- かかと体重を意識しすぎて爪先が浮くと腹筋が固まりやすい
- 膝が爪先よりも前に出ないように意識しすぎて出っ尻になると、脚から力が出にくくなる
- しゃがむと腰が後傾すると、膝や腰を痛めやすい
③プッシュアップ
どこでもできるプッシュ系種目です。
*動画準備中
- 顎、胸、腹がまっすぐ一直線になるようにして腕立て伏せの体勢がスタートポジション
- 肩の真下に手をつく
- 肘が外側に向かうように伏せる
- 腕が真っ直ぐにまるで床を爆発的に押す
1〜4を繰り返します。スクワットと同じで手のひらにかかる圧力を変えずに一定のままです。
よくある間違い
- 脇を閉めてしまうと、肘を外旋して使えなくなる
- 顎、胸、腹を真っ直ぐにできないと、全身が繋がらない
④ディップス
平行棒でやるプッシュ系種目です。
*動画準備中
- 肘を伸ばした状態がスタートポジション
- 肘を45°開きながらプレス
- 腕が真っ直ぐに伸びるまでプッシュ
1〜3を繰り返しますが、かなり負荷が大きいのでレジスタンスバンドを使ってまずはフォームを身につけましょう。
よくある間違い
- 肩が上がったままやると胸や首を痛めやすい
- 身体を反りながらやると、首肩まわりに異常が出やすい
⑤ニータック
鉄棒でできるアブ種目です。
*動画準備中
- 両腕の間に頭を軽く入れて鉄棒にぶら下がる
- 両膝をヘソの高さくらいまで引き上げる
- 身体が一直線になるまで脚を伸ばす
1〜3まで繰り返しますが、身体が前後に触れない範囲で膝の上げ下げをしましょう。
よくある間違い
- 腰が丸くなるまで膝を上げると、身体が前後に振れやすい
- 脚を伸ばし切らないでやっていると、姿勢が悪くなりやすい
5 いざ実践:メニューを組み立てて継続
代表的な種目とフォームを練習しつつ、セットを組んでトレーニングしていきましょう。
ただし、代表的な種目をそのまま初心者がやろうとするのは難しいです。
力任せにやっても習慣化されないので、特に初心者には大切となる考え方をお伝えします。
種目をスケールする
自体重トレーニングはダンベルやバーベルを持ち上げるトレーニングと違って、フォームを崩さないように重量を下げることがしにくいトレーニングです。
そこで大切なのが、種目をスケールダウンさせることです。
例えば、スクワットで太腿を床と水平以下にすると骨盤が後傾してしまう人は、しゃがむ距離を短くします。
壁から30cmくらい離れて、壁側に背中を向けて立ちます。そこからお尻を壁につけにいきます。これを決めた回数繰り返します。
このように各種目をスケールダウンさせることで、自分にとっての次の一歩を確実に歩んでいけます。
プルアップもプッシュアップも全ての種目でスケールダウンさせることができます。
スケールダウンの必要性
私はこれまで多くの方に自体重トレーニングを指導してきました。
トレーニング経験が豊富な方から普段は全く運動しない方まで様々です。
子どもの頃からスポーツに慣れ親しんで、トレーニングを継続している人でも全身運動としての自体重トレーニング種目は難しいようで、スケールダウンを必要としない人はほとんどいません。
多くの場合、動作を力任せにできてしまいます。そのため、スケールダウンが必要だと思わないのだと思います。
しかし、力任せにやっていては自体重トレーニングの面白さに触れることはできません。
正しいフォームとは、カタチだけではなく気持ち良い実感が伴うものです。
この正しいフォームを身につけるにはスケールダウンという考え方が必要なのです。
正しいフォームが身について、気持ちよく自体重トレーニングをできるようになれば自ずと習慣化されてしまいます。
なぜなら、気持ち良いことは毎日でもやりたくなってしまうのが人間だからです。
この正しいフォームを知らなければトレーニングは苦行のままです。
ぜひ皆さんにも、自体重トレーニングの面白さを体験して欲しいと思います。